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「火星警察よ!」
そう言いながらゼブラたちに近寄る。
背後から急に現れたパスラに動揺するゼブラ。
「おいおい!あんたらどこから入って来た!」
「話を聞きに来ただけよ!」
パスラが二人を落ち着かせる。
ゼブラとトーマは顔を見合って安全を確認する。
リーンが状況を見てパスラに近寄った。
「噂を聞いて来たのか?」
ゼブラがパスラに尋ねる。
「武装グループだと聞いていて」
「誤解だよ、全て「O」の仕業なんだ」
「詳しく聞ける?」
「揉め事はごめんだからな…イスを用意する」
ゼブラは、話に応じるようだ。
「あんたたち、サクナの件で来たんだろ?」
ゼブラから話し、パスラが答える。
「えぇ、犯行現場を見る限り、「O」の犯行に見えるように細工されていた」
「それがあいつらのやり方だ」
「というと?」
「俺たちは、人を救いたいだけなんだ。あの人たちを!」
ゼブラが地下に繋がる階段を指さしながら言った。
「いいか、あの団体は火星人差別をしている!教祖ブラセル・ソマードは支援している医療機関がある。そこなら、重病人や介護が必要な人たちを支援してくれるかもしれないと考えて、訪ねてみたんだ。」
1週間前--------
ゼブラ、サクナ、トーマはブラセルの元を訪れていた。
ドアのベルを鳴らすゼブラ。するとブラセルが出迎えた。
「こんにちわ、どのようなご用で…」
「こんにちわ。実は、相談に乗ってもらいたいことがあって」
「なんでしょうか…」
「医療支援をしているとか…?」
「えぇ、あまり公にはしていませんが」
「実はこういう者でして」
ゼブラは、身分証明書を見せた。太陽十字が乗せられた金属製のバッジが付いていた。そのエンブレムは、ボランティア支援グループ「FRIEND」の証で全国で活動しているのだ。
「「FRIEND」の方でしたか」
どうやら、「FRIEND」による支援要請もよく受けていたようだ。
「えぇ、実はとある廃工場を住処にしている人たちがいて、中には重病人もいるんです。どうかお力を貸してほしい」
「もちろんです。ですが…私たちは、異星人には力を貸せない」
ブラセルは、サクナとトーマを冷たい視線で見ながら言った。
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