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「それっきり、サクナとは連絡が付かなくて、今に至る。俺たちはグループ内で使っている専用端末があって、メンバー同士なら情報が共有できるんだ」
ゼブラが自分のグループで使っている専用端末をリーンたちに見せた。
「なるほど、それでサクナさんの通信履歴の確認をしたんですね」
「その通りだ…サクナを呼び出し…」
ゼブラはリーンとパスラの目を見て訴えかける。
「憶測だけで推理するのは危険よ…。「O」がただの団体ではないことは確かだと思うけどまだ確証は無い。チームの捜査状況をまとめるわ。それまでうちの局の者を呼んで、地下にいる人たちに食料を提供してもらえるように手配する。リーン、頼める?」
「分かりました」
リーンは局の給食担当者に連絡した。
「感謝するよ…前に来た警察管とはまるで違う」
「もしかして、南支局の連中?」
「たぶんそうだ、奴らのバッジにSouth.Policeって書いてあった。荒っぽい連中だったよ」
トーマが、確認済みだった。
「南支局にはまともな人がいないんですかね」
「悪い人でも警察管にはなれるのよ…。そうだ、名前を言ってなかったわね。パスラよ」
「リーンです」
「ゼブラだよろしく」
「トーマ」
四人はそれぞれ自己紹介をした。
「ここを少し借りても?」
「構わないが…」
パスラの質問に少し戸惑いつつも了承するゼブラ。
パスラは、工場内の開けた所に立ち、腕の専用端末を取り外し地面に置き、「share」と書かれたツールを起動した。
するとデータ化された空間が出現した。これは現場チームがそれぞれの現場で情報を共有できるように開発されたシステムで、その空間内に仮想状態ではあるがメンバーのアバターが出現してリアルタイムで会話ができるようになっている。
パスラが、腕の専用端末のチーム内通信モードで呼びかける。
北支局現場チームのそれぞれの端末に通信が入り、「share」に呼び出された。
『パスラよ。捜査状況を』
Continue....
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