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そこに、ミシエについて調べているリーンからホリディに連絡が来た。
『ホリディさんキングさん!』
「こちらホリディ。何か見つけた?」
『「O」の事を調査していたら、サクナさんに関する情報がありました。どうやら「O」内でサクナさんと親しかった女性がいたみたいです。赤い瞳でブラウンのショートヘアの』
「ブラセルさん!聞こえたか?」
ホリディは、浮気していたという女性の特徴をブラセルに聞かせた。
「赤い瞳…ルシタ・ノールド…」
ブラセルはその女性に心当たりがあるようだ。
「いるのか?」
ホリディがさらに詰め寄る。
「えぇ、鑑識の短剣調査の時、団員に訳を話したんです。サクナさんのことを。そうしたら一人だけ明らかに取り乱している女性がいた。赤い瞳のルシタです」
ブラセルの話を聞き、推理が確信へ近づく。
「まさか…愛人…?」
キングがリーンに聞く。
『えぇ、二人でいるところを目撃したという花屋の店員もいて、二人は腕を組み合って歩いていたそうですよ』
「それが動機か…。サクナは火星人だ。ブラセルも知らないということは浮気相手の女性は影で交流していた…。」
ホリディは腕を組み確信に近づく。
キングが話しかける。
「ミシエ・マンティスの家で短剣のレプリカが出てくれば全て合致する」
「あぁ、夫の浮気なら十分動機になる。しかも、相手は「O」の団員だ。反対組織と称される「FRIENDO」とのいざこざに紛れて殺せば、カモフラージュになる」
ホリディが答え、専用端末を共用通信モードにしてチーム全員に呼びかける。
『ホリディだ。リーンの情報を聞いてミシエ・マンティスが犯人という可能性が高くなった。俺とホリディはミシエを確保しに行く。リーンは、「O」へ行ってルシタと合ってくれ』
通信が切られた。リーンは初めての単独任務を与えられた。少し、緊張しているようだ。
パスラが声を掛ける。
「初めての単独任務ね。あなたは心に寄り添える人だからきっと大丈夫よ」
「パスラさん…私、行ってきます!」
パスラの励ましの一言でリーンは決意した。
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