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ホリディの掛け声のお陰で、二人ともドアの両端に付いて銃弾を防ぐ。
閃光とともに、複数の弾丸が甲高い音を立てて襲ってくる。
「用心棒か?」
ホリディが壁に隠れながらキングに聞く。
「おそらく、金で雇われたんだろう。ミシエは黒(犯人)だ」
キングは半開きになったドアを盾にしてハンドガンで応戦しながら言った。
キングは二発発砲した。
発砲してきた体格の良い用心棒も、部屋の影に隠れてキングの弾丸を防ぐ。
部屋の風呂場に隠れていたミシエと用心棒はアイコンタクトをした。ミシエは、ここは任せろと訴える用心棒の合図に応じ、用心棒がホリディたちに発砲している間に窓側に走る。
部屋の外で、マシンガンによる攻撃になすすべがないホリディとキング。
銃声を聞いた同じマンションの住人が外に逃げる。
「部屋に入れ!撃たれるぞ!」
ホリディは、手を払うように住人に指示を出す。住人は頷き部屋に入り、戸締りをした。
「まずいな、この騒ぎで住人が外に!ミシエが紛れて脱出するかもしれない!」
ホリディが廊下の窓から外を見ながら言った。
「ここは食い止める!お前は外に出てミシエを追え!」
キングが指示した。
「…分かった!死ぬなよ」
ホリディがキングの肩をポンッと叩き、外へ向かう。
ミシエは二人の予想通り、用心棒を盾に、窓ガラスを割って飛び出した。
住人に紛れることができたのだ。
ホリディも外に出たが、避難した住人の数でミシエを発見できない。
「…どこに行った…」
マシンガンを撃ち続けている用心棒。一本分のマガジンを使い切り、素早く銃弾を補充する。その隙を見て、キングは部屋に入り、廊下の壁に隠れる。用心棒との距離が縮まった。
用心棒は銃弾を補充する際、よそ見をしていた。キングを見失った。
「入って来やがったか…」
用心棒は恐る恐る玄関に向かう。
廊下の影に隠れていたキングが、背後から用心棒の頭にハンドガンを突きつけた。
「銃を捨てろ」
キングの指示に、ため息を付きながらマシンガンを捨てる用心棒。キングもその行動に油断してしまった。用心棒は床に落ちる前のマシンガンを再び取り、振り向きながらマシンガンで殴った。
キングは咄嗟に両腕で受け身を取る。その反動でハンドガンを落としてしまった。
無防備になったキングに用心棒の巨体が突進してくる。
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