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『事件発生。西都市ネスラタウン1-45R通りで若い女性の遺体が発見されました。現場チームの捜査官は直ちに急行してください』
「暇じゃなくなりましたね」
「そのようだ」
二人は1Fにある作戦会議室に向かった。ここでは、スキンヘッドで強面の北支局長ウェーブを中心に現場チームの編成が行われる。
いつもの現場チームメンバーが集まった。
ホリディと長年組んでいる黒髪でアジア系の男性捜査官キング。
肩までの黒髪を軽く巻き、赤いリップを付けている女性捜査官パスラ。
元軍人で、黒人坊主ドレッドに顎髭を生やした大柄の男性捜査官フレイム。
そして、火星人ハーフの新人女性捜査官リーン。
最初に口を開いたのはいつもの如くウェーブだ。
「今回は裏路地で発見された女性の遺体を調べてほしい。現場をパトロールしていた捜査官の情報だと、自殺の線が濃厚らしい。リーン、この事件を担当できるか?」
「はい!」
ウェーブがリーンを指名した。
「まぁ、まだ現場には慣れていないだろう、キングが付いてやれ」
ウェーブは、キングとリーンを組ませた。
「了解」
キングはいつも通りクールに返事をする。
「他のメンバーは支局に残り、身元の調査などを進めてくれ」
《了解》
現場チームはウェーブの指示に従い、解散した。
リーンは、キングの元に寄る。
「あの…よろしくお願いします!」
初めてのバディに緊張しているのか、深々とお辞儀をした。
「そんなに固くなるな…行くぞ」
「はい!」
キングとリーンは、配車室へ向かった。
北支局3Fにはオフィスがあり、各捜査官に専用のデスクが設けてある。
長方形のモニターが5枚並んでおり、各列共有して使う形になっている。
「結局暇か…」
ホリディがオフィスからコーヒーを片手に窓の外を眺めていた。
「私、ちょっと行きたいところがあるから出るわね」
パスラがオフィスを出て行った。
「男かな…」
ホリディはパスラの後ろ姿を見ながらフレイムに話しかける。
「制服で会うか?」
フレイムは否定した。
「それもそうだな…。なぁ警察ってこんなに暇なのか?」
「暇ってことは平和なんだろう」
「こうしている間にも火星のどこかでは事件が起きてるよな」
「警察は町の監視者なんて言われるけど、通報が入らなければ行動できない」
「お前、たまに暗いよな」
「…」
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