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交通事故から1年半後。車イスを自ら操作しているコリンが医師の部屋から出てきた。----
医師より下半身の麻痺が完治することはないと告げられ、絶望するコリンを後ろから見守っていた父親がコリンの元に寄る。
「コリン…君にしてあげられることが一つある」
「…」
コリンは俯いたままだ。父スランは脳と共有して遠隔操作ができるアンドロイドの研究を仕事にしていた。
「脳神経と同期することで、アンドロイドを自由に動かせる研究をしている。ハンディを負った人を助けるためのツールだ。コリン用のアンドロイドを用意する」
「…私にとって、演劇は全てなの…」
コリンは車イスから転げ落ちながらスランに泣きつく。スランはコリンを強く抱きしめて言った。
「私を信じなさい。必ず君を再びステージに立たせる」
数日後、スランは約束通りコリンのアンドロイドを完成させた。顔は、人工的に作られた肌のつなぎ目が少し目立つが、遠目で見たら人体そのものだった。
「見てごらんコリン。あとは、君の脳神経とリンクさせれば動かせる」
スランは車いすを押しながらアンドロイドを見せた。
「これが、私。またステージに立てるんだね…」
「あぁ。この装置を頭に付けてくれ」
スランは、道具が散乱しているテーブルに置いてあったヘルメット型の装置をコリンに被らせ、コンピュータを操作した。これと同様のヘルメットがアンドロイドにも被せてあった。
スランが慣れた手つきで、プログラミングを続けた。
【地獄からの帰還!】【女優魂!万歳!】【義体の大女優、次も主演か!?】
人気女優の復活にメディアはコリン一色になっていた。アンドロイドがステージに立ち、コリン自身はステージ裏で脳操作で演技をする。そう、義体と完璧にリンクしたのだ。
現在---------
コリンのライバルであり良き友・サズがキングとリーンに過去の話をした。
「自分の代わりに義体で演技をしていたのか…」
キングが、コリンの女優魂に心を打たれていた。
「でも、コリンはずっと迷っていたの…」
サズが思いつめた表情で語りだす。
コリン死亡2日前---------------
この日も、コリン主演の劇が決まっていた。しかし、コリンは浮かない表情をしている。
そこにサズが現れた。
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