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「コリン!聞いたよ!主役おめでとう!」
「…サズ…」
「浮かない顔ね、どうした?」
「ちょっといい?」
二人は、劇場の休憩室でコーヒーを片手に話す。
「サズ、私ね、罪悪感に押しつぶされそうなの…」
「ど、どうしたのよ…なんで…」
「だって、私はみんなみたいに本当の身体で演技をしていない…そんな私が連続で主役なんて…みんなに申し訳なくて…」
コリンが車イスに座りながら泣き崩れる。
現在-----
「…それが自殺の原因かもしれないわ」
サズが、過去を振り返りながら言った。
「まだ自殺と決まった訳では…」
リーンがサズの一言に困惑する。
その時だったドアがノックされ、後輩女優が入って来た。
「失礼します!先輩!大変です!」
サズの後輩、地球人のロール・タンカーが大声をあげる。
「一体どうしたの?」
サズが聞き返す。
「コリン先輩のアンドロイドがゴミ置き場に捨てられていました!」
「確かなの?なんてむごいことを…!」
「け、警察の方ですか?」
ロールが部屋の異様な空気に疑問を抱く。
「えぇ、実はね、コリンが亡くなったの…」
「そ…そんな…」
驚愕の事実にロールは腰を抜かして尻もちをついてしまった。
尻もちをついたロールにリーンが近づく。
「大丈夫ですか!?」
リーンはロールの肩に手を置き気遣う。
「…はい…」
「アンドロイドが捨てられていたゴミ置き場に案内してもらえますか?」
劇場の地下には巨大なゴミ処理場が広がっていた。
窓は無く、映画館のスクリーンほどの大きさの巨大な換気扇が壁に設置されていた。
コリンのアンドロイドは無残にもバラバラに散らばっていた。
それを見たサズは、あきれた表情を浮かべる。
「なんて酷いことを…」
キングがバラバラのアンドロイドのパーツを調査する。
「これは間違いなく意図的にやられているな…。刃物のようなもので切断した跡が残っている」
キングの言う通り、切断されたパーツの断面は綺麗に切れていた。
「コリンさんに恨みを持っていた人がいる…?」
リーンも切断されたパーツを確認して言う。
北支局-------------
コリンの遺体が解剖室に運ばれ、鑑識のゾイ・ブロウが調べていた。
解剖室にはホリディとフレイムもいた。
「目立った外傷は無さそうね…自殺の線が濃厚かもしれない」
ゾイが遺体を見ながら言う。
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