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『西暦2220年、ライセル・ソマードにより設立。神を崇めず人類を崇める団体として大きくなり今では三代目のブラセル・ソマードが教祖です。しかし、火星人の入信を拒否しているため一部では差別集団と呼ばれています。』
AIが音声解説をする。
「ソマードの過去は?」
『ソマード家は代々神に仕える家柄でした。しかし、火星激突による自然災害が起き、神では何も解決してくれない、むしろ災いすら呼び起こすと考え、行動を起こせるのは人類のみだと悟り、神を捨てました。ライセルはそう教え込まれながら育てられたようです。』
「確かに火星激突は神でも防げなかった…。確かに、人類の科学が人類を救っているのも間違いではないが、この星は火星人との共存が許されて成り立っているはずだ…」
局長である、スキンヘッドで黄色の髭を生やしたウェーブ・メイソンにより、現場チームが会議室に集められ今後の作戦会議を始めた。
「これからの流れを教えてくれ。ホリディ」
「はい。リーンとパスラは入星検問所で聞き込み。俺とキングは「O」の所へ。フレイムは奥さんの元へ行って事情を説明してくれ」
ホリディが現場チームに指示を出した。
「よし、これより作戦を実行してくれ」
《了解!》
ウェーブから最終命令が下され、現場チーム5人の掛け声で各チームがそれぞれの任務に就く。
まず、ホリディとキングのコンビは西都市にある「O」のアジトへ向かった。
電光掲示板で埋め尽くされた都市は常に明るく、橋のガードレールにも電光モニターが設置され、CMやニュース番組が流れている。ホリディはいつもの光景を横目にパトカーを走らせる。
宇宙の放射能を防ぐため人類と火星人が協同して開発したシェルターに守られている。空は無く見上げれば無機質な電脳版が広がっている。
「なぁ、空って知ってるか?青いらしいぜ」
ホリディがフロントガラスから無機質な電脳版の空を見ながら言った。
「俺たちの生まれるずっと前の話だ。太陽とか月とかが見えたらしい」
勤勉なキングは流ちょうに答える。
「知らないことはないの?」
「あるさ…ただ俺は人一倍に好奇心が旺盛なだけだ」
「だったらもっと感情を込めて話してくれよ…寂しいでしょ…」
何だかんだ仲の良いコンビのようだ。パトカーは西都市に入っていった。
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