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一方、殺害されたサクナの勤務する南入星検問所にはリーンとパスラのコンビが到着していた。地球から移住してくる人類で溢れかえっている。
リーンとパスラはまず受付で用件を伝える。
「火星警察です。サクナ・マンティスさんのことで」
リーンが率先して受付員に聞く。
「警察の方ですか、所長を呼ぶので少しお待ち頂けますか」
受付員はそう言って事務所へ向かった。
「緊張してる?」
パスラが少しおどおどしているリーンに声を掛ける。
「いえ…その…現場で動くのはまだ慣れていなくて、何を聞いたらいいか…パスラさんみたいに綺麗で話も上手な方だったら、いろんな情報を聞き出せるはずなのに、私は何も無くて」
「少し生意気なところとか…私は嫌いじゃないよ」
「よく言われます。新人のくせに首を突っ込みすぎだ…とか」
「あなたの社交的な性格に嫉妬しているのよ。私はあくまでサポートだから、今日はあなたらしい突っ込み方で行きな」
「はい!」
パスラの後押しに気が晴れたのかリーンは大きく返事をした。
そこに、南検問所の所長が受付員と共に歩いてきた。
受付員はリーンたちに一礼して、業務に戻る。
「どうも、ラダ・ブラウンです」
肥満体の火星人所長が、先に挨拶をする。
「リーン・サンテです。こちらはパスラ・イブ捜査官」
二人も挨拶を交わし、ラダが所長室へ案内した。
所長室に入り、テーブルを挟んだ状態のソファーに腰かけ、向かい合わせになる。
リーンの口が開く。
「お時間頂いてすいません。サクナ・マンティスさんについてお聞きしても?」
「サクナはよく働いていました。責任感の強い奴でね、ご覧の通り検問所は常に地球から移住してくる人間で溢れていますから、休んでいては申し訳が立たないと言って週6回の勤務シフトでした」
「確か、奥さんがいますよね?地球人の」
「ミシエさんですね。とても綺麗な方でした…」
サクナの妻ミシエの元にはフレイム・ナスカが訪れ、事件の詳細を説明していた。
しかし、事情を説明しても顔色を変えないミシエに不気味な感情が沸く。
「そうですか…あ、コーヒー飲みます?家は旦那がコーヒー好きなもので沢山種類があるんです」
「お構いなく。失礼な事をお聞きしますが、奥さん妙に冷静ですね…」
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