ガキ、拾いました

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「俺家出中なの。でも未成年でしょ?行くとこないの。」 「友達でも女でもいくらでもいるでしょう。なんで私なの、嫌だ。」 得体の知れないこんなガキ家に入れろってか。あり得ない。 でも。 「オネーサンこの前も俺の事帰したし、今日だって。」 ストローで氷を弾く。 「オネーサンは信用できる人だって本能が言ってる。」 「俺、オネーサンに見捨てられたら行くとこないし困る。」 補導か。はたまた面倒が起きて刑事問題か。 なんで切羽詰まってるみたいな顔してそんな事言うかな。 「絶対約束する。オネーサンになにもしない。」 「それにきっとオネーサンは俺の事を見捨てられないよ。」 そう言うと、官能的な色気を含まない幼い顔で、 「お願い」 と、苦笑いした。 あぁ、これが本来のコイツの顔なのかも。 いや、作り物とか嘘かもしれない。 だけど目が離せない。このガキ生意気。 ・・・負けた。 この目に見つめられると、頭にモヤが掛かったみたいになっていつもみたいに居られない。
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