62人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺家出中なの。でも未成年でしょ?行くとこないの。」
「友達でも女でもいくらでもいるでしょう。なんで私なの、嫌だ。」
得体の知れないこんなガキ家に入れろってか。あり得ない。
でも。
「オネーサンこの前も俺の事帰したし、今日だって。」
ストローで氷を弾く。
「オネーサンは信用できる人だって本能が言ってる。」
「俺、オネーサンに見捨てられたら行くとこないし困る。」
補導か。はたまた面倒が起きて刑事問題か。
なんで切羽詰まってるみたいな顔してそんな事言うかな。
「絶対約束する。オネーサンになにもしない。」
「それにきっとオネーサンは俺の事を見捨てられないよ。」
そう言うと、官能的な色気を含まない幼い顔で、
「お願い」
と、苦笑いした。
あぁ、これが本来のコイツの顔なのかも。
いや、作り物とか嘘かもしれない。
だけど目が離せない。このガキ生意気。
・・・負けた。
この目に見つめられると、頭にモヤが掛かったみたいになっていつもみたいに居られない。
最初のコメントを投稿しよう!