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「みて、登録オネーサンにしてみた。」
笑いながら見せてきた友だちの画面には、アニキと変更したと言う私の名前、2つのみ。
「アンタ、友達いないの?」
「あぁ、面倒だから。どうせ連絡しないのにどうして登録するの?」
「あっそ。」
納得、したかもしれない。
私だって、友だちの欄には400くらいの名前が並べられていても、実際に連絡をする人なんて数えるほどしかいない。
まして、一応王子とまで呼ばれるガキがいちいち交換したらきっとピコピコ連絡鳴り止まないんだろうな。
勝手に友だち追加とかされるし、所謂流出ってやつ。ありそう。
苦労、してるのか。
人気者も。
「帰り何時くらい?」
「6時が定時だから6時半には帰るかな。」
「そっか。じゃあ、またね。オネーサン。」
「行ってらっしゃい。」
同じ時間に行くと言うガキを連れて一緒にマンションを出た。
「ふっ、行ってきます。」
堪えられなかったらしい笑い声と共に、ガキの背中は遠くなる。
なんか、ガキと陽の光が見慣れない。
履き慣れた低めのヒールを引きずって、歩き出した。
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