ガキ、拾いました

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「もーどうしたらいいんだろう。」 まぁまぁ、と宥めながらアイは今日もカウンター越しのコウセイさんにうっとり。 あー本格的なやつなのか? 次の日には隣キープしてるイメージだったから、手間取ってるのを見るのは初めてだ。 というか、アイ平日来てたっけ? ちょっとアイの女感に驚きつつ、グラスを傾けバーボンの氷をくるくると回して溶かす。 「「「きゃーっ!!!」」」 突然出入り口付近で何人かの女の黄色い歓声が響いた。 「あ、王子だー!」 アイも歓声の中心に居る人物に目を向ける。 つられて私もアイの視線を追うと、 げ。 バッチリと目があった。 「(ミツケタ。)」 口パクで多分そう言ったソイツは真っ直ぐこちらに向かって歩いて来てる。 「オネーサン。」 「帰れ、ガキ。」 週末に会ったあの男の子。 今日も相変わらず色気ダダ漏れ。 そして当然かのように腰に手を回して同じテーブルにつく。 「平日も来てたんだ。」 前回の恨みと言わんばかりに横腹の肉をつまむガキにイラっとしたのは当然で。 「何か。」 冷たくなるのも当然の事。 バチバチとした中、空気を壊す人間が目の前に居た。 「えー!!うそー!トモいつ王子と知り合ったのーっ!!!」 あ、女モードのアイだ。 「別に知り合いじゃないし。」
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