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(だれも突っ込まないというのは、おしゃれアイテムとして認知されているからなのか)
知らないのは私だけで流行は斜め上方向に向かって飛んでいるのか。そうやってわからないことが増えていって若い人からクスクス笑われて、ご老人早押しクイズとかに引っ張り出されて期待通りの珍回答だしてお茶の間の人気者になってしまうのか。
(死んだら若い子らに「いたよね~、そんなバァさん」って言われる)
扉が開いて新宿に着いた。降りなくては。先に降りてしまう彼を残念そうに見送るオフィスレディーに学生さん。一緒に降りれるのは優越感。
数歩前を彼が歩いている。
新宿駅西口から地下通を都庁方面へ。私のほうが先に目的のビルに入るため右折してしまうから彼がどこに勤めているのかはわからない。私が働くビルより先だから都庁かもしれない。
都庁務め。つまり公務員。安定のイケメン。悪くない。相手にとって不足なし。どんと来い。
突如、彼が立ち止まった。心を読まれたのかと思ったが、そんなロマンスではなかった。どうやら靴の紐がほどけたらしい。片膝ついてしゃがむ姿も絵になる。
(なにも私まで立ち止まって靴の紐結ぶの見学することはないんじゃないのか?)
ついつい真後ろで美しい男性の美しい所作を見物していた。だが待て。
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