0人が本棚に入れています
本棚に追加
『…もしもし』
「あ、萩谷先輩!お久しぶりです!」
『…~………』
微かに漏れてくる声は、なつかしい響きのような、知らない音のような。
「はい、雪」
「…は?」
「先輩。…とりあえず出て」
「な、なんで…」
「いいじゃん。久しぶりに声聞いときな」
「……もしもし」
『…雪…ちゃん、…久しぶり』
「お久しぶりです」
『…えっと、海ちゃんが、夏休み一緒に出掛けようって言ってて、雪…ちゃんも、来られるの?』
「いえ、私は行かないですけど」
『…あ、そう…』
「すいません、海が迷惑かけて」
「はあ?迷惑なんかかけてないでしょ!」
『はは、迷惑じゃないよ』
「じゃあ、海にかわりますね。…はい」
「………もういいの?」
「うん」
「…かわりました。詳しいことはまた後で連絡しますね」
『……………』
「はーい。失礼しまーす」
最初のコメントを投稿しよう!