『…もしもし』

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『…もしもし』

「あ、萩谷先輩!お久しぶりです!」 『…~………』 微かに漏れてくる声は、なつかしい響きのような、知らない音のような。 「はい、雪」 「…は?」 「先輩。…とりあえず出て」 「な、なんで…」 「いいじゃん。久しぶりに声聞いときな」 「……もしもし」 『…雪…ちゃん、…久しぶり』 「お久しぶりです」 『…えっと、海ちゃんが、夏休み一緒に出掛けようって言ってて、雪…ちゃんも、来られるの?』 「いえ、私は行かないですけど」 『…あ、そう…』 「すいません、海が迷惑かけて」 「はあ?迷惑なんかかけてないでしょ!」 『はは、迷惑じゃないよ』 「じゃあ、海にかわりますね。…はい」 「………もういいの?」 「うん」 「…かわりました。詳しいことはまた後で連絡しますね」 『……………』 「はーい。失礼しまーす」
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