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そういうわけで、加藤先生以外の彼氏を作る気はないから、今回も差出人の名前を確認するまでもなくお断りとなる。
でも、名前を見なくても、誰が出したか分かる。
教室の外から、私の様子を窺っている男子がいる。十中八九、あの人。
私は、わざとラブレターに気付かない振りで教科書を突っ込んだ。
男子は、「ああ!」と、小さい悲鳴を上げた。
(ごめん! 本当はこんな意地悪をしたくないんだけど……)
いちいち、断ることにもうんざりしている。
諦めてもらうには、これぐらいでちょうどいい。
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