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 時々、焦ることがある。  それは、加藤先生に積極的に近づいていく女子たちの存在。 「先生、格好いい!」 「先生、好きです!」  堂々と恋愛宣言する彼女たち。  先生に迷惑が掛かるだとか全く考えず、自分の気持ちを一方的に押し付ける。 「先生の迷惑なのに……」  でも、羨ましくもある。  周りの噂も気にせず、積極的に動ける行動力。  私は、何も言えず、黙ってみているだけ。 「先生、あの子に落とされないよね?」  先生を見ていると、何事もなかったように見えるが、こちらの内心は穏やかではない。
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