ハイ、ハイ

張り付いたような笑顔で

「ハイ！ハイ！ハイ！」って。

早く当ててくれと言わんばかりに元気な声が必死な声に変わり「ハイ！ハイ！ハイ！」と続けるんです。

流石におかしいからみんな怖がって、泣き出す子も出てきて。

異変に気付いた副担任が教室にきて先生を抑えたんですが、それでも「ハイ！ハイ！」ってやめなくて。

誰かが昨日みたいに当てたらおさまるかもって思ったんでしょうね

「はい、M先生！」って当てたんです。それでも先生は挙手し続けてるんです。

その時、僕はなぜか不意に言ったんです

「はい、K君！」って。

そう言って先生を指したんです。

すると先生が「〇〇公園、男子トイレです！」と言いました、K君の声で。

その日副担任とその他の先生でその場所に駆けつけたところ、K君の遺体が見つかりました。

その数日後、犯人が捕まりました。誘拐されそうになり、逃げ出したK君は公園のトイレに身を隠したのですが見つかって殺されてしまった。

K君は僕たちに自分の居場所を伝えていたんです。なぜあの時僕はK君の名前を言ったのか、それは事件から何年も経つ今でもわかりません。