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私が止めようとするまえに教室を出て行った愛美はその後直ぐに戻ってきた。
「OKもらってきたよ!!」
「な、なんの?」
私は恐る恐る訊ねる。
「そんなの決まっとるじゃろ。大智に夏祭り一緒に行こうって言ってきた。」
「もう! 私が迷ってたことを愛美はすぐに実行しちゃうのぉ!」
そう言って私はポカポカと愛美を叩く。
「いいじゃん。迷ったら直ぐ行動しなきゃ。私のほうは彼氏を呼ぶから2対2のWデートになるし。気合いれなよぉ」
愛美は私の背中を叩く
「うー……」
土曜日に何を着ていくべきかを本気で悩むことになって、私はこのまま体を溶かして何処かへ逃亡してしまいたい気持ちだった。
そして約束の土曜日が来た。気合を入れて浴衣を着たのはいいが、なかなか上手く着こなしているか不安でしかたない
「んー……、本当に大丈夫かなぁ?」
待ち合わせ場所の神社の入り口前に行くと、そこにはもう愛美と愛美の彼氏の真治君、そして甚平姿の大智君の姿があった。
「ごめん! 浴衣がなかなか着るのに苦労しちゃって」
「いいよいいよ。私達も今来たところだし」
愛美がそういうと、真治君も頷く。
「山川が浴衣着るなんてビックリだ。すっげぇ似合ってる!」
大智君がそう感嘆の声をあげる。
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