母[オンナ]と娘[オンナ]

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母[オンナ]と娘[オンナ]

「サエカ」 ユウコは静かな声でサエカに話しかけた。 「あなたはまだ子供なのよ」 「だから私のしたことを赦せないかもしれない、でもね、大人はあなたの倍以上生きているし、あなたの思っている以上に色んな経験をしているの。 だから間違いもしているわ。 それでもね、生きていかなくちゃいけないし、家庭を守っていかなくちゃいけないの。 その為には時には見過ごしたり見なかった事にしたりするの」 ユウコは母としてサエカに話しかけた。しかし、サエカは頷かない。 「何言ってんのよ、スギヤマとの関係を続けていたくせに」 「脅されて仕方なく関係を持っていたの」 「脅されて? 仕方なく? 何言ってんのよ」 「サエカがスギヤマとの子供なのをバレたくなかったの。だから仕方なく関係を持っていたのよ」 「はあ? さっきまで認めなかったのに、私がスギヤマの子供なの認めるんだ」 「サエカに耐えられる話だと思わなかったからよ。でも、もう大丈夫だと分かったからね」
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