母[オンナ]と娘[オンナ]

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勝ち誇ったように言うユウコの言葉を黙ってサエカは聞いていた。その姿は見ようによってはワルさをした子供が母親に叱られているような感じであったが、サエカの表情はそうではなかった。 「ずいぶんとこの下着をバカにしているようだけど、そんなにおかしいかしら」 「あたりまえよ、そんなお子ちゃまパンツ」 サエカは先ほど脱いだブラをつまみ上げると、ユウコの目の前にぶら下げた。 「このブラ、見覚えある? 」 ユウコはじっと見る。サエカの下着は大手モールのPB(プライベートブランド)の物で、なるべく可愛いものを選んで買っていた。だがこれには見覚えがない、違うブランドのものだったし、なかなか大人びたデザインだった。 「あたしがバイト代で自分で買ったの、もちろん下もね。ブラはこれなのにパンツはこれ、おかしいと思わない、セットで買ったのにね」 「何が言いたいの」 「大人になってもこういうパンツを穿くってどういう時か思い出せないかな」 ユウコは少し考えて、やがてハッとなった。 「まさか……」 「あなたにとっては孫にあたるのかしら、それとも継子かな」 サエカはいとおしそうに自分のお腹を撫でた。
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