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ユウコはサエカの言った言葉を受け止めきれず、強ばったままだった。サエカはかまわず話を続ける。
「正真正銘、パパの、タドコロシンヤの児よ。産まれてすぐにDNA検査してもいいくらいよ」
サエカの言葉をやっと受け入れたユウコが、あらためてサエカの身体を見る。まるみのおびた身体付きは大人のオンナのそれでなく、母のそれだったと気づいた。
「ほんとうに……、ほんとうに……」
「母子手帳もあるわよ」
「どうして……」
「もちろん、愛し合っているからよ」
勝ち誇った顔でサエカはユウコを見下ろす。ふふんと鼻をならし口もとから笑みがこぼれる。
「はじめてセックスしたのは1年くらい前ね。それからあんたが出かけている時に家でしてたわ。あんたがあのオトコと浮気している時に私たちは愛し合ってたの。だからむしろ早く浮気に出かけてほしいって2人で思ってたわ」
くすくすと笑いがこぼれる。
「パパと結ばれた日のこと、忘れられないわ」
サエカはユウコに自慢話をするかのように話し始めた。
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