母[オンナ]と娘[オンナ]

6/12
前へ
/74ページ
次へ
ユウコはサエカの言った言葉を受け止めきれず、強ばったままだった。サエカはかまわず話を続ける。 「正真正銘、パパの、タドコロシンヤの児よ。産まれてすぐにDNA検査してもいいくらいよ」 サエカの言葉をやっと受け入れたユウコが、あらためてサエカの身体を見る。まるみのおびた身体付きは大人のオンナのそれでなく、母のそれだったと気づいた。 「ほんとうに……、ほんとうに……」 「母子手帳もあるわよ」 「どうして……」 「もちろん、愛し合っているからよ」 勝ち誇った顔でサエカはユウコを見下ろす。ふふんと鼻をならし口もとから笑みがこぼれる。 「はじめてセックスしたのは1年くらい前ね。それからあんたが出かけている時に家でしてたわ。あんたがあのオトコと浮気している時に私たちは愛し合ってたの。だからむしろ早く浮気に出かけてほしいって2人で思ってたわ」 くすくすと笑いがこぼれる。 「パパと結ばれた日のこと、忘れられないわ」 サエカはユウコに自慢話をするかのように話し始めた。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

68人が本棚に入れています
本棚に追加