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「もうどうしていいかわからなかった、パパもあたしも。だからね」
サエカは自分の両手で首を絞める真似をする。
「パパに、私を殺してってお願いしたの」
その時の気持ちが蘇ったサエカは涙をこぼした。
「あたしはパパが好きだと伝えたわ、誘拐されたあと、オトコが怖くてずっとパパにもイヤな思いをさせてしまったけど、どうしようもなかった。でも、オトコ達に襲われたとき庇ってくれたパパに、本当に愛されている事を感じたの、親子としてでなくオトコとして好きだと。
だから、血が繋がっていないと知ったとき、あたしは本当に嬉しかった。堪えきれず血が繋がっていないと言ってしまったの。それでパパがどんなに苦しい辛い思いになるかも考えずにね。だからあの時の私はパパに殺される事でしかお詫びすることしかできないと思ってたの、でもね
パパは出来ないと言ったわ。あんたとスギヤマは赦せないけど、あたしには罪が無いって」
サエカの慟哭の言葉にユウコも涙した。
「あたしに罪は無いとわかっていても、見てしまえば赦せない気持ちが出てしまう。自分でもどうしていいかわからないというパパの苦しみを癒したかった。
だから、だからねあたしはパパにお願いしたの。
私を抱いてって」
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