出会い

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 彼女は何がしたいのだろう。  俺は電車に揺られながら眠り続ける彼女を見て不思議に思った。  寝たいのだろうか。音楽を聴きたいのだろうか。手帳で何かを確認したいのだろうか。  彼女が乗ってきて、もう4つ目の駅を過ぎた。  俺は電車の中で特にやることもないし、なんとなく目の前で眠り続ける彼女を眺めていた。    電車の揺れにあわせて彼女の頭も揺れている。  よほど疲れているのだろう。彼女は爆睡している。  そのとき、彼女の手から開いた手帳がするりと落ちた。  彼女は手帳を落としたことにも気づかず、こんこんと眠り続けている。
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