出会い

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 彼女は俺の乗っている電車に乗ってくると前と同じく俺の向かいの席に座った。  俺は彼女を見てすぐに一週間前のことを思い出した。  彼女は先週と変わらず、耳にイヤホンをしている。  そして今回は手帳を開くことなく、そのまま眠り始めた。  俺はまた目の前で眠る彼女を眺めた。  電車に乗ってすぐに眠るなんて、疲れているのだろう。  でもこんな平日の午後に電車に乗ってくるなんてこの人は何をしている人なんだろう。  俺と同じ学生には見えないし、おそらく会社員なのだろう。    けれど普通の会社員の人が平日のこの時間に電車に乗るだろうか。
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