出会い

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 彼女の肌の色は白い。  顔立ちは寝顔しかろくに見ていないけどたぶん美人の部類にはいるだろう。  目の前で眠る彼女を眺めながらそんなことを考えていると、やがて俺の降りる駅に着いた。  駅に着くなり、彼女は前と同じように跳ねるように飛び起きた。  そしてダッシュで電車を降り、何をそんな急いでいるのか階段を駆け下りていった。  俺はその姿を見送りながらゆっくりと電車を降りた。  それから毎週、彼女とは同じ電車で会った。  毎週決まって、同じ時間同じ車両に乗り、爆睡する彼女。  そして駅に着くと猛烈な勢いで電車を降りて、走り去っていく。  何をしている人なんだろう。  何をそんなに急いでいるだろう。
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