星林堂の少女

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 どうしてあそこで、八月七日と思い込んでしまったんだろう。  慧一は思う。  八月七日といえば、既に夏休みだ。夏休みに終日、あの場に立っているつもりだったんだろうか。  しかし、七月七日は、期末テスト最終日であった。  友人達と『打ち上げ』と称してゲーセンで豪遊してしまい、気づいたのは帰宅した後だった。  その後、彼女とは会っていない。  本が好きなようだった。星林堂で再会できるのでは、そう、思っていたのに。
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