平成最後の夏

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 図星を指されてあせったのか、明日夏はあわてて多恵を伴って、帰って行った。  幼馴染みの二人は、最近少し意識し合っているように、松平には見えた。  当人達は隠しているつもりでも、長年双方を見ていればわかる。  高校こそ、女子校、男子校に分かれてはいるが、塾ではそれもいっしょくただ。  新しく入った、明日夏と同じ、甘乃川高校の梁田亮一(やなだりょういち)の存在も大きいかもしれない。  梁田は、あからさまに多恵に絡んでいく。幼馴染みの明日夏は、どうもそれがおもしろく無いようで、ようやく多恵の事を幼馴染みでは無く、少し気になる女の子として認識しつつあるように、松平には思えた。
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