星林堂の少女

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「……部活の合宿で、寝顔がタールマンに似てるって言われて、気になっちゃって」  そう言う彼女は、とてもタールマンには見えなかった。タールマンというのは、バタリアンの序盤に出てくるタール漬けにされたゾンビの事で、目の前の少女は(美少女という感じではないものの)とても似ているようには思えなかった。 「なんだそれ、ひでぇ」 「でしょう!?」  他愛の無い話をしながら、紫陽花公園まで歩き、本を貸す約束をした。 「あ、じゃあ、七夕の日に、ここで会わない?」  彼女は言った。
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