転生の世界

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 ネットの世界では、簡単に友達が作れたから。  あっ、何でヒーローの話をしたかって?  それは、空想世界の住人としてヒーローに憧れていたから…。  僕もヒーローになりたいって。  まあ、なれなかったけどね。  ヒーローになれないまま、大人になって、社会人では、給料で好きな物が買える様になった。  いつしか忘れたヒーローへの憧れ。  そして、訪れた運命の日。  ネットの仲間も集まるアニメのイベント。  お目当てのグッズを買いに行った帰り道。  嬉しくて、早く帰って中身を見たかった。そんな事に気が行っていた。  下りのエスカレータの一歩目。見事に踏み外した。  エスカレータに人が居なかったのは幸いだった。他の人を巻き込まなくて良かった。  僕は、体型も手伝って一気に下まで転がり落ちた。  後は、救急車で病院へ。  浮遊感が上昇してきる感覚に変わった。 (いよいよか。)  建物を突き抜け、どんどん雲が近付いて来る。  雲を抜けると、眩しい光に向かって吸い込まれる様に速度が増していく。 (あれを潜ったら天国かな?)  僕は光に融けた。  揺すられる感覚。 「す、すみません!」  謝りながら、飛び起きる。 「直に、終わらせますから。」  書類が無い!? それどころかデスクが無い!     
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