転生の世界

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 やっと気が付いた、 「ここは? 会社じゃない…。」 と。 「気が付いたか。」  声の方を向くと、異国ではなく異世界風の服を着た老人が側にいた。  老人を見た瞬間に全てを理解した。 (こ、これは! 転生だ!)  自然に頬が緩む。何故って? それは僕でもヒーローになれるチャンスが来た! って、思ったから。 「その顔。全てを悟ったそうじゃな。」 「はい。僕は転生したのですね!」 「そうじゃ。お前は転生したのじゃ。」  僕は、この老人の手を取り踊り出したい気持ちになったが、ぐっと堪えた。 「一つ、言っておかねばならぬ事がある。」 「なんでしょう?」 「お前の能力についてじゃ。」 「能力!?」  やはり、転生者は凄い能力を持つのか。何だろ楽しみだ。 「お前は、この世界においてチートとも呼べる壮絶な能力を持っている。」 「そ、そうなんですね!」  嬉しくて、踊り出すのを抑えるのが難しくなってきた。  少し間を取り、 「この世界も森羅万象、男と女、表と裏…、全ては表裏一体。」 「はぁ…。」  話の意図が掴めず戸惑った。  僕の戸惑いを悟ったのか、 「そうじゃな。具体的な方が解りやすいかの。」  ポケットからコインを取り出し、右の掌の上に乗せ、     
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