1人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
「ワシが持っているのは、物体を超加速させるチート能力じゃ。」
「あ、貴方も転生!?」
「そうじゃが、今はその話はおいておけ。」
「は、はぃ…。」
「見ておれ…。」
コインをじーっと見詰める僕。
しばらくして、
「ほれ、この通りじゃ…。」
と…。
「能力の話は嘘ですか?」
「いいや、確かにワシには超加速のチート能力がある。」
「…。」
「じゃが、コインは超加速しなかった。」
「はぃ…。」
「何故じゃと思う。」
いきなりの質問。
考え中。
「マナが足りないとかですか?」
「いや、マナは十分じゃ。」
考えが外れた。
「では、僕の思考の範疇(はんちゅう)を超えていると思います。」
老人は関心したように、
「良い答えじゃ。」
と、笑顔になった。
「先程、話した表裏一体。」
固唾を飲んで聞く。
「つまり、ワシの持つ超加速のチート能力に対して、超減速のチート能力を持つ者が、この世界の何処かにおる。」
「反対の能力ですか?」
「そうじゃ。つまり、この世界はチート能力がインフレし、飽和状態となっておるのじゃ。」
「インフレの飽和状態!?」
超驚いた。
「そして、対になるチート能力は、互いを打ち消しあっておる。」
「打ち消し!?」
老人は頷く。
「では、この世界は…。」
最初のコメントを投稿しよう!