転生の世界

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「ワシが持っているのは、物体を超加速させるチート能力じゃ。」 「あ、貴方も転生!?」 「そうじゃが、今はその話はおいておけ。」 「は、はぃ…。」 「見ておれ…。」  コインをじーっと見詰める僕。  しばらくして、 「ほれ、この通りじゃ…。」 と…。 「能力の話は嘘ですか?」 「いいや、確かにワシには超加速のチート能力がある。」 「…。」 「じゃが、コインは超加速しなかった。」 「はぃ…。」 「何故じゃと思う。」  いきなりの質問。  考え中。 「マナが足りないとかですか?」 「いや、マナは十分じゃ。」  考えが外れた。 「では、僕の思考の範疇(はんちゅう)を超えていると思います。」  老人は関心したように、 「良い答えじゃ。」 と、笑顔になった。 「先程、話した表裏一体。」  固唾を飲んで聞く。 「つまり、ワシの持つ超加速のチート能力に対して、超減速のチート能力を持つ者が、この世界の何処かにおる。」 「反対の能力ですか?」 「そうじゃ。つまり、この世界はチート能力がインフレし、飽和状態となっておるのじゃ。」 「インフレの飽和状態!?」  超驚いた。 「そして、対になるチート能力は、互いを打ち消しあっておる。」 「打ち消し!?」  老人は頷く。 「では、この世界は…。」     
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