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何かの答えにたどり着いた。次の老人の言葉で否定される事を願った。
「そうじゃ。この世界の住人全てが[転生者]なのじゃ!」
たった今、頭の中に描いたヒーローの姿が色褪せ、真っ白になっていく。
「コレからお前は、この世界でチート能力を使えない[只の転生者]として生きていくのじゃ。」
ついに、真っ白になったヒーローの姿。同じく頭の中も真っ白になった。
「安心せい。この世界は平和そのもの。戦争もなければ、危険な魔獣もおらん。」
さらに続ける老人の話は、右から左へと僕の耳を抜けた。
翌日から始まった生活は、平穏で日々の暮らしは退屈そのもの…。
それが、死ぬ迄続いた。
運命は、また僕をヒーローにしなかった。
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