告白をする日

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 見た目は現在の雛子の男版と言ったところか。  それはそれはもう、ぎらぎらとした本来なら絶対に関わり合いになどなりたくはない男達だった。年齢は・・・、多分若いのはまだ中学生。一番いっているグラサンのスキンヘッドで二十歳そこそこというところだろう。 「ん、いい人達だよおう」 阿呆か。雛子。  そりゃあおばさんも泣くし、おじさんもげっそりするわ。  雛子は楽しいんだと言う。本人が良いのであれば周りがとやかく言う事は・・・、無いなんて、そんなくだらない自由が健全であるわけがないに決まっている。  であるからして、その権利があるのが僕なのかそうでないのかは別として、いつもの様に桜立ち並ぶ校門の脇で迷惑極まりなく屯をしていたその集団に僕が割り込んだというわけだ。  だって、仕方がないだろう。雛子。 小桜雛子。  これでも君を見続けてきた僕はどうしたって放っておけないさ。  当然、揉めた。どちらが先だったかは覚えていない。兎に角、派手なモヒカン頭の現場服を来た入れ墨男を思いっきり。  そう。思いきりぶん殴ってやったのだ。  いや、違うな。僕はやってしまった。  最近悪質な少年犯罪や、実態もよく分からない半グレ集団や暴走族紛いのチンピラによる犯罪事件が相次いでいるのは周知である。  僕がぶっ飛ばしたモヒカンは派手に吹っ飛んで後ろのバイクをがつんがつんとなぎ倒していった。一目見れば誰でも分かる。あれ、絶対やばいバイクだった。  そんなわけで雛子を抱きかかえて走りに走っているのだ。気づけば汗がぽつぽつと額から垂れていく。そして、湿ったシャツが僕の体温をひやりと奪っていく。  くそ。どうしよう・・・。  不意に顔を撫でたのは柔らかい布の感触だった。雛子がハンカチで僕の顔を拭っている。手首からはバニラの様な香りがした。 「びっくりしたよう。兄ちゃん、何で急に暴れてたわけ?」 「・・・。まずかったかな」 ぷるぷると雛子が首をふる。自分的には問題ないという事らしい。だが。 「兄ちゃん死んじゃうかもよお」 やめてくれ。  雛子は可笑しそうにけたけたと笑う。  気付けば雛子を担いで河原から公園から街中を駆け回って、終いにここへ帰ってきてしまった。僕たちの学校。雛子と早苗の通う中学部から道一本隔てただけの僕の通う高校だ。
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