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「でも、私も途中から不純な気持ちが芽生えてしまいました 」 どうしても声が震えてしまう。 「初めは先輩のプレーを見て選手として好きになりました。けど、県大会の決勝の前にミーティングで言ってた事を聞いて、どうしようもなく先輩に惹かれてしまいました。その日から異性としても好きになって、先輩の夢を一緒に見たいって思うようになったんです 」 恐る恐る先輩を見る。 「そっか、白崎も俺のこと好きでいてくれてたんだ 」 「幻滅しないんですか 」 「ああ、普通に嬉しいし、それになにより白崎のサッカーが好きな気持ちは嘘じゃないからな。だろ 」 「はいっ、大好きです 」 「むっ、俺とどっちが好き? 」 「なっ、先輩それはその嫉妬は子供っぽ過ぎますよ 」 「そうだな、ははっ 」 2人は顔を赤くし笑い合う。 「不束者ですがこれからも宜しくお願いします 」 照れながらも嬉しさを噛み締めていた。 「こちらこそよろしくな 」 「でも、まずは全国優勝からですよ先輩 」 「もちろんだよ。絶対、優勝を勝ち取ってみせるよ 」 「はいっ、私も全力で支えます 」 「これから見せてやる俺の、俺達の夢を。特等席でな 」 先輩がニカッっと笑う。 うるさかったはずの蝉の合唱は、私達の夢の門出を祝うかのように今日一番の音を奏でた。    
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