いつもの二人

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**** [今日行くから。お風呂とご飯よろしく。] 仕事終わりの職員ロッカーで、スマホを開けて私、宮坂寧々(みやさか ねね)は小さく溜息をついた。送信元は秋吉伊都(あきよし いと)。保育園の頃からの私の幼馴染みだ。 「寧々ー!今日、みんなで飲みに行くって言ってるんだけど来る?」 背後からの声に慌ててスマホを鞄に落とす。同期の澤田優香(さわだ ゆうか)がにこにこっと微笑んでいる。 「ごめん。今日はちょっと無理。」 「そっか。残念。せっかく美味しいお店を見つけたのに。」 本当は誘いにのった方がいいのに。私の脳裏には伊都からのメッセージが既にこびりついている。 [今日行くから。] 何時に?仕事が終わるのはいつ?と聞きたいけど、どうせ返信なんてない。伊都は私に対しては自分の要件しか連絡してこない。 それでも……私は同期の誘いを断ってですら、伊都の帰りを待つのを選ぶ。断ったらもう伊都がうちに来てくれないような気がするから。
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