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は? 何言ってるのよ、失礼ね! ちゃんと現実を見ろってのよ!
「うるさいうるさい! 何でお前にそんな事を言われなきゃいけないんだ!」
決定的な言葉を口走っているくせに、素直に認めようとしない辺りが何だかムカつく。
ちゃんと聞こえているのに、本当馬鹿なの?
「馬鹿で結構! 俺はこう言う事に関わりたくない性分なんだよ!」
『それでも! これは私にとって重大な事なんだから!』
私がそう叫ぶと、鬼島くんはようやくぴたりと立ち止まってくれた。
「……何で分かったんだ? 近野」
『だって、私とちゃんと目が合ったのはあなただけだったから』
鬼島くんは「はあ……」と大きく溜息を吐くと、観念したように私へと向き合ってくれた。
「で、何を聞きたい?」
『私が死んだ理由』
鬼島くんは、大きく目を見開いて私を見た。
私はもう一度言う。
『あそこで、私が死んだ理由。それが知りたいの』
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