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◇
「あっつー……」
連日暑い日が続く、夏の初め。
真っ白い夏服が眩しい、そんな生徒達の群れに紛れながら、私は目的の駅へと降り立った。
慌ててホームから改札へ抜ける階段を駆け下りる。
待ち合わせの時間から、既に十分の遅刻だ。
「愛美、おはよう! 遅れてごめんね!」
「おはよう、未散ちゃん。大丈夫、私も着いたばかりだから」
「ああ、愛美ってば、相変わらず優しい~」
「もう、大袈裟だよお」
園田愛美。
可愛い上に優しい、私の自慢の親友。
私はいつも彼女と駅で待ち合わせをし、そこから一緒に学校へと向う。
その日は週明けのテストがあった為、お互いに問題を出し合ったりしながら通学路を歩いていた。
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