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こういう方面に鈍すぎて、彼氏がちょっと可哀そうよと。
友達に頭をぽんぽんされる事が多い私でも、さすがにぼんやりとだけど全容を把握する。
"僕の彼女"
"優先順位は何よりも彼女"
私にはとても幸せな言葉で。
きっとあの先輩にとっては、辛い言葉。
テナントの一つを曲がって、先輩が見えなくなったところで彼のシャツを引っ張る。
「ん? どうしたの?」
足を止めて私を見下ろして来る彼に、一言。
「すき」
それは、私達二人の合言葉。
「…」
「すき」
待ちきれなくて、もう一度言った私の唇に、彼の唇が短く触れる。
瞬きの後、再び目に入れた彼の顔は、手で半分隠されていたけれど、きっと私よりも赤かった。
誠実で、優しくて、
「死にそう…」
意外とシャイな彼は、
絶対に誰にも譲りたくない、
大好きな、私の彼氏です。
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