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好きなひと-彼氏Side-
僕の彼女は、とてものんびり屋だ。
その歴史は保育園から。
お昼寝から目覚めるのはいつも最後で、必然的に、おやつも歯磨きもいつも最後。
彼女の横に後ろに立ち並んで、次へ次へと先を促すのが僕の役目だった。
両親に言われて、半ば仕方なく面倒を見続けた一つ年下のお隣さんは、小学生になってもあまり変わらず、一緒の登下校も、のんびりと景色を見ながら歩く彼女に、僕は密かに機嫌を悪くしたりした。
高学年になって、友人達がお前の幼馴染は可愛いと噂を始めても、僕にとってはどこか面倒くさい存在。
通学路が正反対になる中学への入学が、とにかく待ち遠しかったのを覚えている。
そして、漸く彼女との接点が切れた中学生活。
他の奴らより遅れて始めたバスケに夢中になり、毎日練習、毎月試合。
一カ月で別れたけれど、初めての彼女も出来たりして。
そう言えば暫く顔を見ていなかったなと、その幼馴染である彼女の事を思い出したのは、それなりの青春を謳歌しつつ、三年に進級して直ぐの事だ。
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