クッソ失恋野郎、乙である。

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思い出すのも憚れるほどに暑苦しかった10年前の夏、私はお前に恋をした。 春が終わって夏が来てすぐのこと、私はいつも通りの放課後をいつも通りの岬ちゃんと歩いていた。 七月某日、夏の足音が間近で聞こえて鬱陶しい。 だがそれよりも蝉の鳴き声が鬱陶しい。 風流を感じてる暇があったら地球にエアコンをつけろ、そんなアホなことをすぐ隣の岬ちゃんと話していた覚えがある。 若干田舎感の否めない閑静な車道沿いをこのご時世古臭いセーラー服に汗を染み込ませながら歩く。 いくらで売れるだろうか? そんな時だった。 私の人生を狂わす悪魔が登場したのは……
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