クッソ失恋野郎、乙である。

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「おぉ! 岬じゃん!今帰りか? 一緒に帰ろうぜ!」 さっきからちらほら話に出てくる岬ちゃん、私の親友である。 というかこの男は一体なんなんだ? 隣にこんなにも愛くるしい女子がいると言うのに無視しやがって…… 180はある背丈にキリッとした眉、女性受けの良さそうな大人っぽさとあどけなさが混同している表情。 まあはしょって言えばスポーツやってそうで爽やかだしやんちゃそうだけど真面目っぽい感じもあるイケメンである。 少女漫画の属性総なめしてやがるたぁどういう了見だ…… そいつはシャツ出しのブレザーでチャリを漕ぐ足を止め、私の方を一瞥する。 「悪い、ちっこくて見えんかった」 「失礼ね……2度と陽の目を見れなくしてやりましょうか」 「ちょっ……落ち着いてよ紗世ちゃん! 三奈もちゃんと謝って!」 ははぁん……こいつ…… 「ふぅうん……三奈って女みたいな名前ね。 去勢したらどうかしら?」 「な、なんだお前……怖いよ!」 まあ結局なんだかんだ言ってその日は三奈も一緒に帰ることになった。 誠に遺憾である。
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