クッソ失恋野郎、乙である。

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「あっ、そいえば今日は岬どうしたんだよ? お前らいつも一緒だろ」 思い付いたように聞いてくる三奈。 口を動かすな手を動かせ、と言いたいところではあるが…… 「知りたいかしら?」 ずいっと机から身を乗り出して顔を近づける。 彼は近い近いと私のキュートな顔をぺちぺちと叩きながら言った。 なんて扱いしてくれるのだ…… 「ああ、知りたいよ知りたい。 第一そんな言い方されたら気になるに決まってるだろ」 「そうね……じゃあ教えてあげる」 私は一旦そこで言葉を区切り、驚く三奈の顔を想像しながら言い放つ。 「初彼を作りに行ったのよ!」 ドタッ…… 瞬間、彼は青ざめて端正な顔を崩し、大きな音を立てて椅子から立った。 回りの利用客が私達に注目しているが、お構いなしと言った様子で三奈は図書室から飛び出した。 最後に、こう言葉を残して…… 「なんで言ってくれなかったんだ……」
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