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罰ゲームの内容は"夜11:00頃の学校に鞄を取りに行くこと。その際、先生と親、警察には見つかってはいけない"というもの。明日の朝、鞄を持って登校したら罰ゲームを達成したこととなる。達成できなかった場合はどんどん内容がハードになっていくというシステムだ。
幸い、駿の親は夜勤明けでぐっすりと眠って布団から出てこない。チャンスと思った駿はこうして通っている高校へと細心の注意を持ってやって来たのだ。
手紙を持って立ち尽くしている駿の耳がコツコツという足音を拾う。
警備員がやって来たと思い、急いで教卓の下へと隠れる。同時ぐらいに教室の前の廊下を警備員が通る。
口に手を当て、なるべく音を出さない用にする。
警備員は教室内を見ることなく通り過ぎる。
「はあ」と息を吐き出して教室を出て帰るために窓を開ける。昇降口から出ると警報が鳴り、警備会社へと連絡が行ってしまうようになっているからだ。窓までセンサーがついていないのを考えると、警備が厚いのか薄いのかわからないところだ。
入って来たときと同じように外へ出る。そして、家路を急ぐ。
「ない、ない、ない、ない…」
少女は駿が先程までいた学校で何かを探していた。
「手紙がない」
少女は手紙を探していたようだ。手紙といえば駿の鞄の中に入っていた手紙だが…
「誰が持って行ったの?私の手紙」
少女は手紙を探し続ける。
「う~ん」
駿はベッドに腰掛け、手紙を見ながら唸る。
そして、手紙を開く。
一枚の便箋には何も書かれていなかった。
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