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「いたずらか?嫌でも、いたずらでこんな高価物は使うはずないしな」
手紙を見つめ、どうするか考える。手紙の意味はわからない。何か書いてあったら筆跡を取り込んで調べることができたかもしれないが、何も書かれていないそれではお手上げだ。
「しゃあない、明日裕翔にでも聞いてみるか」
橋間 裕翔はどこから仕入れてくるのか、多くの情報を持っている。それは、ちょっとしたことから人には言えないことまで。敵に回してはいけない人物として恐れられている。
「一応メッセージ送っとくか」
裕翔に《明日話したい事がある》とメッセージを入れてから電気を消し、ベッドのに横になり、寝る。
次の日。駿はいつも通り、朝6時に起き、準備をしてから学校へ向かう。
そのときに、手紙を鞄の中に入れて。
「いってきます」
駿の声に返事はない。親はもうすでに家を出ている。今頃会社に着いているだろう。
家を出て学校へと向かう。玄関の扉には登録された人しか入れないようにプログラミングされている。だから、鍵をかける必要も鍵をなくす心配もないのだ。
一度目を閉じて再び開ける。そこは先程まで見ていた景色と異なる。駿は脳内にあるチップに働きかけ、メッセージタブを開く。
そこには新着のメッセージが受信されていた。裕翔からだ。
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