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屋上の扉を開けるとそこにはすでに裕翔がいた。
「十分早いだろ」
きっと、前の時間からサボって屋上にいたのだろう。でなければ、駿より早く来ることなどは無理だろう。良くて、数分の差だろう。
「で?何なの。聞きたい事って」
早速用件に入っていく。
「ああ、これ」
そう言って、手紙を裕翔に見せる。
「これ、紙じゃん!!どうしたのさ!?」
興奮したような感じで聞いてくる。それもそうだ。いくら情報通だと言っても実物は初めて見る事だろう。
「昨日の夜、鞄を取りに行ったんだけどな」
「何やってんの」
呆れた目で見られた。
「いいだろ、別に…その鞄の中に入ってたんだよ」
「ふーん」
聞いてるのかわからない返事を裕翔はする。
「で、何かわかるか?」
「駿は少女の噂知ってる?」
「は?」
なぜいきなり少女が出てくるのかわからなかった。手紙のことを聞いているはずなのに。
「だから、少女の噂」
「…手紙のことが知りたいんだけど」
「手紙の事も関係してるから」
「知らない」
「少女の噂ってのは…」
何でも数年前からこの学校で起きる怪奇現象が少女のせいだと言う噂。
そもそも怪奇現象が起きてること事態今初めて知ったというのに少女の噂など知るわけないだろう。
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