出会いそして再会

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出会いそして再会

 どうしてこの世には、バース性ってものがあるんだろう。    子供の頃は、男の人、女の人……ただそれだけの性別だと思っていた。  大きくなるにつれ、僕はバース性ってものを知るようになった。  アルファ……それは世界を統べる優等種。  体格が大きく俊敏で、頭脳も明晰な特異な者たちの総称。  世界人口のおよそ0.5%に満たない彼らは、たぐいまれなる能力で世界の中枢を握っている。  一方世界人口のおよそ97%という圧倒的多数であるはずのベータは、ほとんどの場合、アルファに一方的に支配されるだけの一生を過ごす。  むしろアルファの支配を良しとしたおかげで、ベータは安定的に人口を増やしてきたといえる。  そしてオメガ。  全てのアルファはオメガから生まれてくると言われている希少種であるにも関わらず、長年にわたりオメガは虐待やいじめの対象になっていた。  ベータに比べても華奢な体。  男なのに妊娠できるという話も、ベータの社会では至極異端な話である。  更にアルファと同じ希少種ながら、オメガは発情期、と、ベータにはない体質を抱えている。  発情期に突入すると、オメガは異常な発情物質を体から放ち、アルファを誘惑するのが一般的だ。  大人たちはそれは新しい人類の進化だって言う。  だけど僕にはそれが、分からない。  抗えない運命に翻弄される僕には、この性別が神から与えられた『ギフト』だなんて、到底思うことはできなかった。  僕が分かるのはただ一つ。  良くも悪しくも、僕の運命はすべて、『よーちゃんを中心に回っている』ってことだけだった。  
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