僕のよーちゃん

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「よーいち、さん……」  僕がゆっくりとよーちゃんの名前を呼ぶと、よーちゃんは嬉しそうに微笑んだ。  ……別人。  僕がずっとよーちゃんと思っていた人はよーちゃんじゃなかったのか……。  驚きと同時に、胸にストンと落ちた。  覚えていないんじゃない、ほんとに知らなかったのか……。 「優羽様、そろそろ……」  野々田に諭されて、ふと我に返る。  ああ、今日の主役は、希空なんだから! と、緩んだ気持ちを引き締める。 「よーいちさん……その、後で、時間を作ってもらえますか?」  僕がそう言うと、名残惜しそうに僕を抱きしめるよーちゃんはその力を緩めた。 「もちろんだ。  ……もう何年もこの時を待っていたから、あと数時間くらいは待てるよ?」  身体が離れる直前、僕はもう一度体を抱き寄せられた。  驚く暇もなく、額にキスが落とされた。 「後でね、優羽」  耳元で囁かれ、体が熱くなるのを感じた。  夢みたいだ……! 僕は何度も振り返りながら、よーちゃんから離れた。  だけど披露宴の間、ふと気づくと僕はよーちゃんを見つめてしまい、よーちゃんもまた僕を見つめていた。ふわふわとした気持ちで、希空には悪いが披露宴でどんなことがあったか全く記憶がなかった。
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