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愛の絆
「母さん。
今日はね、優羽を連れてきたよ。
やっとね、ずっと探してた優羽が見つかったんだ」
そんな風に、よーちゃんは僕のことをお母さんに紹介してくれた。
僕はほんのちょっぴり緊張していた。
「はじめまして……優羽です。
この度要一さんと結婚させていただくことになりました。
僕はまだまだ未熟で至らないところも多いですが、要一さんを支えていけるように、精いっぱい頑張ります。
僕は……僕と要一さんが出会えたのは、すべてお義母さんのお陰だと思っています。
要一さんは、僕にはもったいないくらい素敵な人です。
お義母さん。
僕と要一さんを、会わせていただいて、本当にありがとうございました……」
僕はそう言って、太陽の下、お義母さんの墓石に向かって手を合わせた。
できたら……お義母さんに、生きている間にお会いしたかったな。
よーちゃんに見せてもらった写真の中のお義母さんは、優しい笑顔が素敵な美しい女性だった。
そんなよーちゃんのお母さんが亡くなったのは、もう20年ほど前のこと。
僕とよーちゃんが出会ってから、1年後のことだったらしい。
よーちゃんは再会したあの日、そういった事のすべてを、僕に教えてくれた。
よーちゃんが、要人叔父さんの息子だってことも含め、全ての物話を。
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