最恐怪談コンテスト 応募作品

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「その生き残った女の子が、僕の祖母だそうです。母は、ずっと昔にその話を祖母から聞いていたそうなんですが、墓地での出来事を聞いて、突然思い出したそうなんです」 母親は実家に戻るとアルバムを取り出し、流行り病で早逝した、彼にとっては曾祖母に当たる、その女性の写真を見せて貰ったそうである。 和装の似合いそうな、線の細い、美しい女性であったという。 さすがに祖母の弟さんの写真は残っていなかったが、「笑顔の似合う、紅顔の美少年だった」と聞いていたので、まず間違いないだろうと母親はそう告げた。 「そんな感じで事件があってから70年後、孫は祖母の生家に纏わる秘密を知った事になります。で、墓では驚いちゃって、車のドアとか慌てて閉じちゃったりしましたが、彼、僕よりずっと年上なんですけど、『良い子』なんだと思うんです。とてもいい笑顔で、僕を見送ってくれましたから…」 彼はそう付け加えて、自らの家系に纏わる、哀しく切ない物語を締め括ってくれた。
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