青い瞳に魅入られて/テーマ:青

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青い瞳に魅入られて/テーマ:青

気づいたときにはタイムスリップをしていた。 周りを歩く人々は皆着物を着ており、建物も昔のものだ。 訳もわからず町中を歩き回っていると、突然三人の男に声をかけられ足を止める。 「嬢ちゃん、どっから来たんだ?」 「いい着物きてんじゃねぇか」 「どっかの金持ちか?」 この服装が目立ったのか、どうやらこの男達は瑠璃(るり)が金になると思っているようだ。 どうしたらいいのかわからず、兎に角その場から逃げなくてはと必死に走るが、相手は着物だというのにあっさりと瑠璃に追いつき捕まってしまう。 周りに助けを求めるように視線を向けるが、皆見て見ぬふりだ。 そこに関しては、自分がいた世界でも似たようなことはある。 面倒事には関わりたくない。 そんな風に思うことは昔も未来も変わらない。 だが、勿論そんな人達ばかりではなく、今いるこの時代にも、見て見ぬふりをしない人物がいた。 「女一人を三人で囲んで、何をしている」 「何だ?ッ、あ、あんたは……!!」 「あんた、だと?誰に向かって口を利いている」 その男の言葉はまるで刃物のように鋭く、三人の男の顔は青ざめ逃げていってしまう。 よくわからないが、どうやら自分はこの人に助けられたのだと気づくと、瑠璃は男に頭を下げ、礼を言いかけたとき、突然男は瑠璃を担ぎ上げると、そのまま歩き出してしまう。 ジタバタと暴れ、下ろしてもらうように言うと、男は一言こう言った。 「俺はお前を助けた。なら、もうお前は俺の物と言うことだ」 何とも勝手な理由で町外れまで連れていかれると、そこには黒と白の馬が一頭ずつ、そして、一人の男の姿があった。 男と目が合うと、その女はどうなされたのですかと、瑠璃を担いでいる男に尋ねる。
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